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松前武道センター15周年記念・武道フォーラムでのスピーチ

私が松前重義先生に初めてお会いしたのは1973年、高校1年生のときでした。郷里の熊本で開催された東海大学主催の柔道大会でお目にかかり、この日の大会後に一緒に食事をしました。その後私は松前先生の強い勧めもあって、高校2年生で神奈川県の東海大学付属相模高校に進みました。そこで、猪熊先生、佐藤先生のご指導のもと、東海大学の恵まれた環境の中で柔道に励んだことが、その後の私の成績につながっていったのです。

松前重義先生は、私が同じ熊本出身ということもあってか、まるで孫のようにかわいがってくださいました。山下という人間を大きく育ててやろう、というお気持ちで、私が柔道に打ち込める環境を作って下さいました。

松前先生の思い出は語り尽くせないほどありますが、最も強く印象として残っているのは、1979年12月のパリでの世界選手権大会のときです。大会前日に国際柔道連盟の会長選挙があり、松前先生は第3代の会長に選出されました。我々選手も、期待と関心を持って会長選挙を見ていたのですが、先生が会長に当選されて「よし、次は俺の番だ」と、気合が入ったことを覚えています。そして翌日の95キロ超級に私は出場し、念願の世界一になり、表彰台の上で、新会長になられた松前先生から最初のプレゼンテーションで、直接金メダルを掛けて頂いたのです。尊敬する松前先生から直接、念願の金メダルを頂いたこと、これは私の大きな誇りです。私は、幸運にも世界選手権、オリンピックで5回も先生から直接金メダルを頂きました。


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