メッセージとご報告

2004年04月02日
近況ご報告 前編
























イラクへの柔道支援。

まずはイラクへの柔道支援のお話からです。前回ご報告させていただいたように、 IJFのパク会長を通じてイラク柔道連盟から支援の要請が来ました。イラクでは戦争の混乱で、スポーツ施設から柔道着や畳が盗まれ、柔道をすることができ ないというものでした。

今回、外務省の「草の根無償資金協力」や全日本柔道連盟など、様々な方のご協力をいただいて、3月3日に贈呈式を行うことができました。指導研修で来日中 のイラク柔道連盟サミール・サーデク・アル・モーサウィー会長に目録をお渡しすることができました。柔道着を150着、畳を約200枚です。この畳は、昨 年9月に大阪で行われた世界選手権の時に使われたものです。

戦後の荒廃の中で、柔道をやりたいと思ってもできない人たちが、柔道着を着て、夢や希望、元気が生まれてくれればと思います。



IJF教育コーチング会議&セミナー

47日間の海外出張から戻ってまいりました。この中で一番大変だったのが、この 最初にアテネで行われたIJFのプログラムでした。私は理事として、議事進行を勤めなければいけません。教育コーチング会議は1月12・13日の2日間 で、13~14の議題を話し合わなければいけないのですが、1つ目の議題の1/3で、1時間半もかかってしまいました。出席者の発言が多く、また議題から 脱線した発言もあり、軌道修正と時間管理は大変でした。しかも慣れない英語です。予定の時間から大幅に遅れ、新理事の懇談夕食会もキャンセルしてしまいま した。

14・15日は教育コーティングセミナーが開催されました。前日までの会議で疲れましたので、2日間午前と午後、4つのセッションで1回だけ議長を務め、 あとの3つは代わってもらいました。まず1日目の午前中はアテネオリンピックの準備状況、ソリダリティコース(発展途上国などのコーチや選手へのスカラー シップや支援などに関するプログラム)の報告が行われました。

午後からはアンチドーピング、ルール改正の説明などが行われました。ルール改正に関してはプレゼンテーションという形で行いました。従来は一方的にルール 改正の内容を伝えるだけでしたが、今回のセミナーでは、なぜこのようなルール改正を行ったのか、背景をしっかり説明しました。

2日目は南北アメリカのコーチのアンケート報告と、コーチ・選手のビヘイビア(態度)に関して話し合いが行われました。ビヘイビアに関しては大きな問題で す。先日もヨーロッパの大会でポルトガル選手が、審判が何度も注意したにも関わらず、柔道着を脱いで勝利のパフォーマンスを行いました。結果はメダル剥奪 です。判定を不服とした態度や、派手なパフォーマンスなどは柔道の精神から逸脱したものです。今後とも力を入れて取り組みたいと思います。

最後に2日目の午後は意見交換を行いました。今回のセミナーでは世界の状況を詳しく説明し、各国のコーチと意見を交換することができ、従来のセミナーとは 違うと評価が高かったようです。そして各大陸から出席したコーチに、セミナーの内容をまとめたCDを渡しました。各大陸へ戻ってから報告をする際に、正し く情報を伝えてもらうためです。セミナーに出席したコーチだけでなく、次に広げてもらいたいと思います。



プレオリンピック大会

1月16・17日はプレオリンピックが開かれました。アテネオリンピックの 柔道会場は8000人ほど収容できますが、プレスや関係者用のスペースが大きいため、大会時には5000人ほどになるでしょう。完成した施設を各国のコー チや選手にチェックしてもらいましたが、評価は上々で使いやすく、問題なしとのことです。

ただ1つだけ違和感があるのは、試合場が床から1.3mほど高く、舞台のようになっていることです。ですがこれも説明を受けて納得しました。会場は1階部 分に観客席はなく、2階からになります。その観客席に試合場を近づけるための工夫なのだそうです。これにより前列に座っている観客が、試合場近くにいるカ メラマンに視線を遮られることがなくなります。この舞台のようになった試合場で、選手は高揚感を感じることでしょう。

後編に続く…
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