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4月8〜12日、IJFセミナーに参加して

そのご報告(2003年5月9日)
 
 韓国の大邱(テグ)で行われた、IJF(国際柔道連盟)のセミナーに参加してまいりました。皆さんもご存知のように大邱では今年2月、痛ましい地下鉄事故が発生しました。私も現場に弔問に伺いしました。今後、このような事故が起こらないことを祈っています。

さて、セミナーですが、まず国の強化策について発表がありました。最近強くなっている5カ国、地元の韓国、ポーランド、チュニジア、イラン、ブラジルからの発表です。これらの国は近年、力をつけてきています。

さらにルール改正に関しても話し合われました。「ゴールデンスコア方式」の延長戦、などが大きなポイントでした。ご存知の方も多いと思いますが、「ゴールデンスコア方式」はポイントが同じだった際に、従来の旗判定ではなく延長戦を行い、最初にポイントを取った方を勝ちとするものです。日本でも昨年の講道館杯日本体重別選手権など、国際ルールの大会で採用されています。

また、柔道の技術指導に関する発表もありました。ここで、1つハプニングがありました。当初、私は発表する予定ではなかったのですが、突然指名され発表をすることになってしまいました。私が技術指導をしたのは「締め技」です。現役の時はライバルの外国人選手に、「ぜひ教えてくれ」と頼まれたこともあります。ですが、その時は「申し訳ないが、これを教えることだけは勘弁してくれ」と謝って許してもらったこともある技です。

セミナーではうれしいこともありました。「フェアプレイ賞」に篠原選手が選ばれたのです。それも日本以外の国からの推薦があり、しかも満場一致で決定しました。シドニーオリンピック決勝での態度が評価されたのです。篠原選手以外には大韓柔道連盟が受賞しました。アジア大会や世界ジュニアの成功、そして今回のセミナー開催と柔道の普及に尽力されました。今年8月には学生のオリンピック、ユニバーシアードもここ大邱で開かれます。

最後に大邱に行った大きな目的をお話しましょう。それは9月の大阪での世界選手権前に行われる、IJFの理事選挙に関してです。私は今回、技術理事のひとつである「教育コーチング理事」に立候補させていただくことになりました。そのため、海外の指導者と意見交換をする必要性を感じていたのです。

幸いにも、立候補締め切りの4月8日になっても対立候補は出ず、9月のIJF総会で承認されれば、理事として活動することになります。今後は柔道の世界での普及活動などに力を入れていきます。これに関するお話は、次回以降に詳しくしたいと思います。






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