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ロシアへ行ってまいりました 後編

プーチン大統領と小泉首相(2003年6月17日)
 
 当初は10:30に両首脳が来られて、私が柔道場でお迎えし、3人で少しお話をしたのち、道場の2階で首脳会談をされる、という予定でした。しかし、お二人の到着が20分遅れ、さらに柔道の話も打ち解けた感じで弾み、15分も経ってしまいました。私も含め周囲の方も気が気ではありませんでした。

ようやくお二人は首脳会談のために2階へ上がられました。私はその間、練習を見学し、選手たちに柔道着をプレゼントしていました。私が帰路につこうとした時、ちょうど両首脳も会談を終えられました。ご様子を拝見していると、とてもいい雰囲気で話し合いをされ、両首脳の信頼関係も構築されたのではと思いました。

現在、日本とロシアの間には北方領土とそれに続く平和条約、シベリアの天然資源、北朝鮮問題などが首脳会談のテーマとしてあります。この時の会談でもプーチン大統領は「平和条約を沼に沈めるつもりはない」と発言されたと聞いています。私も役割を果たせて良かったと思い、充実した気持ちになりました。

この後、大統領から各国の首脳が参加される観劇と晩餐会のお誘いをいただきました。小泉首相に「お受けしてもよろしいでしょうか?」とお聞きしたところ、ご了承いただきましたので、ありがたくお受けしました。ですが急な参加でしたので、手配をされている日本やロシア外務省の皆様は大変だったと思います。

翌31日、6月1日はロシアの若手選手の技術指導を行いました。私も今回の訪問で、柔道の交流をロシアと進めたいと思っておりました。アテネや北京オリンピックに向けて合同合宿などを行う予定です。今後、スポーツを通じた交流や協力をもっとできるようになればと考えます。細くても小さくても、友好や親善の架け橋となることを行っていきたいと思います。

最後に今回の訪問を一番喜んでくださったのは、私が大変お世話になった故・松前重義初代東海大学総長だと思います。ロシアと太いパイプをお持ちで、ロシアとの交流、友好親善に力を尽くされ、世界平和を願っておられました。ロシア行きが決定した時、松前総長が微笑んでおられるお姿を思い出しました…。






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